よもぎに多く含まれるクロロフィルは発がんを防止する働きを持っています。ショウジョウバエの幼虫に、タンパク質が焦げた時に出来る発がん物質を餌に加えて与えると、雄は染色体に異常をきたし、成虫になれずに死んでしまいます。ところが、餌にクロロフィルを混ぜておくと、雌雄どちらも成虫になったという研究報告が出ています。クロロフィルを与えることによって、染色体異常の発症が抑制されたわけです。
 

 がん細胞は一種の染色体異常と考えられていますから、クロロフィルに発がん防止効果が期待できることは確かだとされます。ただ、クロロフィルは植物の組織内にあって、染色体が傷つくのを防ぐと考えられていますが、クロロフィルは紫外線に弱く、紫外線の害を防御しているのが、β-カロテンなどのカロナロイドであることから、クロロフィルの働きはカロテノイドとの共同作業だとも言われています。